新築・店舗オープンしてから、ちょうど4年が経った中標津町の「パンと珈琲のこうば」。

国道から眺める外観は、このとおり実に渋い雰囲気。
1階に張ったカラマツ板が退色して均一でないグレー化が進み、まわりと同化しつつある。
森の樹々に囲まれ、残雪と小雪降る中にそっと佇む様子は、静謐さをたたえた絵画のようにも感じました。
陽射し雨風雪と月日が為す変化は、人の意図を超えて素晴らしいと思える。
一方、室内は無垢板の褐色化が進んで温かみが増し、焼きたてパンと淹れたて珈琲の香り、森の樹々の風景と相まって居心地はますますよくなっている。

今回の訪問の目的は、以前から依頼されていたカフェスペースのペンダントランプを追加すること。
ある程度の期間をいただいて、希少なヴィンテージ品の中から調達しました。
明治・大正時代から昭和前半の日本国内で、「プレスガラス」という型押し手法により様々なデザインが作られていた乳白色のランプシェード。
昔の洋風住宅やホテル・旅館、喫茶店などで使われていたモノだと思います。
その中でも、浅型のシンプルな立体パターンの2種をオーナーに選んでいただきました。

よく見ると、現代の工業製品とは違う手仕事的なゆらぎ、ヒューマンな部分がそこかしこに残っている。
なんだか心和ませる味があるし、やっぱり懐かしく愛おしい。
そういうモノを少しづつ加えていって、もっともっとかけがえのない場所になっていくのだろう。