2020年シーズンの初夏を迎えている、札幌円山の庭。
6月前半に気温が25℃以上になる日が1週間ほど続いたので、例年より早く草木の葉が濃くなっています。
そして、花の盛りもいっせいにやってきました。
敷地の南西角のこの場所に植えて10年経つ、ヤマボウシの株立ち。
今までで一番多くの花を付け、見事です。
ご存知の方も多いと思いますが、4枚の白い花弁に見えるところは花びらではありません。
花を包んでいたモノ(総包)が水平に開いた状態です。
その中心にある緑色の部分、小さい花が放射状に集まった鞠状の部分が花の本体(花序)。
そのヤマボウシの近く、赤レンガ積みの壁際で群生して咲いているマーガレット。
キク科のマーガレットも、ヤマボウシと同じようなのですが、
黄色い花序(頭花)が中央にあり、それの下に白い舌状弁が水平放射状に大きく開いている。
それらを合わせて一輪の花に見えます。
家の赤レンガ積み壁を覆うヤマブキの繁みとマーガレット。
ヤマブキの花付きも今年は多かったのですが、ひと足先に散ってしまいました。
セリ科のイワミツバも、小花の集まり(散形花序)が一個の大きな花に見える。
湧き立つ泡のよう。
毎年、初夏の庭の南側は、ヤマボウシ、マーガレット、イワミツバの白花競演となります。
そして庭の東側では、先月作り直した焼き丸太の木柵パーゴラが、早くも草葉の緑に覆われつつあります。
焼き丸太のパーゴラに絡みつくカラハナソウ(唐花草)。ワイルド感があって生長が早い。
カラハナソウは日本原産の野生種で、ビールで使われるホップ(西洋唐花草)の仲間です。
春に切り戻しをした野バラの幹からは、無数の新しい芽が伸びてきています。
カラハナソウも野バラも生長旺盛ですから、夏の終わり頃にはまた、パーゴラを覆ってしまっていることでしょう。
ラムズイヤーの繁みの中でひっそり咲いているキャットミント。
ラムズイヤーのグリーンがかったシルバーリーフと、この透き通った紫色の小花は、清涼感ある色の組み合わせ。
サビ石の小径沿いにスクッと立ち並ぶラムズイヤー。
ビロードのような光沢感のあるシルバーリーフでもあることも目を惹きます。
見えている葉は、ラムズイヤー、ワイルドストロベリー、タイム、アナベル、イトススキ、ワイルドオーツ。
それぞれの葉の大きさや形や色の違い。それから、本来の生長丈の差と生長する時期の差がある。
初夏は、そんな新しくイキイキとしている葉を楽しめる季節でもあります。
先月敷き詰めたばかりの小径のウッドチップも、落ち着いてきて馴染み始めました。
私のお気に入り、ススキとアナベルとフウチソウの組み合わせ。
黄金色のフウチソウとサビ石敷きは、和の風情があってよいです。
サビ石敷きのファイヤーサークルに水溜まり(池)でもあれば、さらによし。
一方、サビ小石の小径とハーブの蒼々とした葉は爽やかな組み合わせ。
ワイルドベルガモット、スペアミント、コモンタイムの葉の繁み。
葉を踏むと本当に爽快な香り(アロマ)が立ちます。
小径を挟んでその反対側では、メドウセージも濃紺の花を咲かせ始めました。
昨シーズンはタイムの海原に埋もれて生長できなかったメドウセージ。
春に苗を追加して、周辺のタイムを後退させ、生長を促しています。
道端で咲く、マーガレット、ブタナ、ムラサキツメクサ(アカツメクサ)、プランタゴ(ヘラオオバコ)。
札幌の至る所でよく見る組み合わせでもあり、いわゆる雑草で勝手に根付いて生えている草なのですが、
それぞれの花が咲くと素朴で色どりもよく、なかなかの美しさです。
マーガレットとアカツメクサ(赤クローバー)とシロツメクサ(白クローバー)。
この庭では、すっかり脇役になってしまったクローバー。
こんな風に片隅でひっそりと咲いていると、清楚な印象に映るから不思議なモノです。
日に日に濃くなっていく葉の緑と、そこかしこで咲く花に覆われた、初夏の庭です。