家と草木のアトリエhausgras

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2020年4月28日



庭の焼き丸太の木柵を再生する


札幌円山の庭の、ミガキ焼き丸太の木柵を再生させました。(作り直しました)


庭に焼き丸太を打ち込む 8年前の柵作り

この白黒画像は、8年前(2012年)の春に撮ったもの。
庭を囲むように北側から東側にかけてL字に作った、焼き丸太の木柵の作業風景です。


庭の焼き丸太の柵が腐って傾いている

8年の歳月、雨風雪に晒され続けて、いくつかの丸太支柱の根元が腐って、昨年頃から木柵全体が傾いていました。
でも、よく持った方だと思います。

木材腐朽菌でボロボロになった焼き丸太の根元

木材腐朽菌に生物分解され、スカスカ・ボロボロになった焼き丸太。

「木が腐り、土に還る」
これは当たり前で、自然で大事なこと。
それを受け入れて、労を惜しまず営みを楽しむ。
そうは思えども、ささやかに抗ってもみる。

焼き丸太は、表面の木質が炭化(異質化)していることで腐りを遅らせられますが、
でもやはり、腐朽菌の活発な地面辺りは真っ先に腐って(生物分解して)しまいます。
根元だけ定期的に防腐の工夫を施せば、もっと長くもたせられるかもしれません。



さて、焼き丸太の木柵の再生作業。
まずは、古い焼き丸太を腐っているものそうでないものも全部引き抜いてしまい、
直径7センチ・6尺(1.8メートル)長の新しい焼き丸太を、大きな木槌(掛矢 かけや)で根気に打ち込んでいきました。

掛矢木槌で焼き丸太を打ち込む

水平垂直を確認するため脚立に昇ったり降りたり、重さ2〜3キロある掛矢を頭上から何度も振り下ろして、
20本程の太い焼き丸太を地面に打ち込むのは、結構大変な作業でした。
原始的労働の満足感は得られますが、数日間、腕が上がらなくなります。

札幌の庭に作られた焼き丸太の木柵

みがき焼き丸太の柵 ライトグレー

横繋ぎの丸太のうち、傷んでいないモノは使いまわし。
上の薄いグレー色が古い焼き丸太です。新旧入り混じっていた方が味わい深い。


庭にできた磨き焼き丸太の柵

木柵は、入隅のところが2列。その間は通路(アーチ通路)になります。

庭に作った焼き丸太の木柵 馬柵のような

ひと昔前の牧場の馬柵ような風情です。

みがき焼き丸太の柵

ここが丘陵地形の住宅地なので、尚そう思わせるのかも。


カツラと焼き丸太の木柵のある庭

立派に育ってきたカツラの株立と、再生された焼き丸太の木柵。
北隣には一昨年、濃いグレーの鋼板外壁の家が新築されて。
庭の背景としては、無機質・無彩色なのが幸いしてよい感じ。

少しずつ、ここの環境も変わり続けています。


石積みと焼き丸太の柵とレンガの家

今回、木柵を再生させるために、3株の野バラを大胆に切り戻ししました。
かなり繁っていたうえ硬いトゲがあるので、枝の取り除き作業も大変でした。

切り戻しをしたノイバラと焼き丸太の柵

直径6〜7センチと太くなった野バラの幹。

再びバラのアーチに戻すため、出来たての木柵の上に、同じく焼き丸太のパーゴラを組む段取りをしています。
この太い幹の野バラに見合うよう、前回よりも頑丈なパーゴラに。

世の中はただ今、行動・移動制限が出ていますから、
ゴールデンウィークは引き続き、庭づくりに精を出して過ごそうと思っています。



そして、ゴールデンウィーク前半。
天気に恵まれたので、焼き丸太のパーゴラも完成させることができました。

庭に作り直した焼き丸太のパーゴラ

パーゴラトップの横木の下端で、地面から180センチくらいあります。
私でも何とか、普通に立って歩いて通れる高さ。
以前より20〜30センチ程高くなりました。

赤い新葉が開き始めたカツラと、作り直されたばかりの焼き丸太の木柵とパーゴラ。

赤い新葉が開き始めたカツラと、再生されたばかりの焼き丸太の木柵パーゴラ。

庭の石積みと再生された焼き丸太の柵

石積みから連続していく、焼き丸太の木柵と焼き丸太のパーゴラ。
そして、木柵と同じくらいの高さに伸びているのはヤマブキ。
もう山吹色の花の蕾が大きくなってきましたから、1週間程で咲き始めると思います。


薔薇のアーチのパーゴラのある庭

7年前(2013年)の夏の庭の様子。
この前年に作った焼き丸太の木柵とパーゴラに、しっかりと野バラが被って薔薇のアーチになっています。
全く同じにはなりませんが、来年また、こんな風になることでしょう。