3年前に完成して、ご家族5人の暮らしが営まれている、円山を望む折り重なる屋根の家。
お子さんたちがすくすく育って庭遊びや、草花と野菜づくりで、庭への行き来が頻繁になってきたようです。
庭へは、リビング前の縁側のようなウッドデッキから降りて、50数センチ下の地面に。ということになるのですが、
その高さがいよいよ気になってきて、ウッドデッキの前に踏段を設けることに。
それを、札幌軟石の石段にしようと。
札幌市内にある札幌軟石の採掘所に足を運び、そこに在るモノから選ぼうとしましたが、
この家の石段にちょうどよいサイズが無かったので、結局新たに加工してもらうことに。
採掘現場に行って実物を見ながら職人さんと話したお陰で、仕上げのイメージはできましたのはよかったです。
発注したのは、35センチ角で長さ80センチの大きな塊と、その半分の厚さの平たい石の2つ。
人力では運べないので、トラックのユニックで吊って設置場所付近まで。
踏み面(上面)は「切り放し」、四側面は「岩肌」と言われる少々荒々しい仕上げに。
採掘所に転がっていた、風化した素朴な軟石のような、自然な荒れ肌になるよう特にお願いしました。
支笏湖周辺の火山活動で流れくだった火砕流が、冷えて固まってできた溶結凝灰岩の札幌軟石は、
石にしては柔らかいので、何かに当たれば欠けやすく、吸水性もあるので、雨水や凍結で浸食風化されやすい。
そのうちに自然と角がとれて優しく馴染んでいきます。
イメージどおりの加工をしていただいて感謝。
よい雰囲気の札幌軟石です。
ウッドデッキの前に据え置かれた札幌軟石の踏み石段。
元からここにこうしてあったかのようにすんなりと。
試しに昇り降りしていただきました。
自然とこぼれる微笑み。
それから、上のお子さん達が成長して机で勉強をするようになったので、
それぞれのデスク上を照らすペンダントランプを2つ追加しました。
真鍮製のランプソケットに小さめの乳白色ガラスシェードの組み合わせ。
樽型で程よい膨らみがあるシンプルな形です。
同じ空間内には、鉢型のガラスシェードと、
棗型(なつめがた)のガラスシェードもあります。
どれも同じサイズ感のガラスシェードなのですが、形はちょっとした違いがあって、それに気づくと何となく嬉しい。
新たな形、新たな素材のモノが加わり、また少し楽しみと豊かさが増したのではないでしょうか。
来年は庭に樹を植える予定です。