中標津での店舗兼住宅は来月から仕上げ工事に。
施主さんと選んだ真鍮金物と壁付ランプが事務所に集まってきました。
実物を検品して、私が少し手を加えたうえで、現場に納品するモノもいくつか。

階段手すりを固定するのに使う真鍮ブラケット。
上の画像の右側の様に、金ピカに磨かれた品だったので、独自のエイジング加工を施しました。
左側がエイジングされた真鍮ブラケットです。
真鍮は、銅に亜鉛を混ぜてつくられた合金で、酸化しにくいのが特徴。
なので「いぶし」(硫化)がちょっと難しい。
私のやり方は、2種類の硫化剤に何度か漬けては磨き、程よく仕上げていきます。

なかなか、渋い雰囲気に仕上がったのではないでしょうか。

造り付け家具の扉や引出しに付ける真鍮のツマミとハンドルも選びました。
スクエア型、バー型、ラウンド型と、タイプの違う3種です。


客用手洗い下の収納扉には、楕円の座が付いたラウンド型のハンドル。
これは施主さんの気くばりに依るところで、手洗いカウンターに寄って使った時に、服に引っかかりにくいようにと。

左官塗りの白い壁に付ける磁器(セラミック)のランプホルダー。
電気の絶縁素材で使われていたので、碍子(ガイシ)とも言ったり。
フィラメントの見えるクリアボール球を組み合わせると、懐かしい感じが増します。

この直径12センチ程の磁器ランプホルダーは、
アメリカでエジソンのランプ(白熱電球)が普及していく100年前頃から、
そのランプにマッチする器具として発案され、以降ずっと作り続けられている超ロングセラーモデルです。
形もフィラメントもレトロで味のあるエジソンランプと合わせると、互いがよりよく見えるのは、そのルーツ故。

真鍮ガードで堅牢な作りのマリンランプも、今回、小さいタイプを1個使うことになりました。

並べて置いてみると、サイズ感も同じで統一感がありました。

これは、hausgrasの手掛ける家の定番となった、真鍮笠の外灯です。
店舗のポーチランプとして2個、住宅玄関ポーチランプとしても1個使用。
このランプは、灯されていない昼間の方が真鍮の質感が分かって活きます。

今、事務所に届いたモノだけを集めてみました。
至極シンプルな形と確かな素材感のモノだけであることを、改めて。
中標津の森の中の土地に出来てきた、あの店舗兼住宅に相応しいことでしょう。