昨年5月に完成してお引き渡しをすませ、その後ゆっくりと引っ越しをされて、この家での暮らしが1年経った頃です。
羊蹄山とニセコアンヌプリが気持ちよく望める、俱知安の農家の住まい。
人の集まりは避けるべき時かもしれませんが、新しいご家族も増えたということで、家の様子伺いを強行しました。
各室の温度湿度・セントラル換気・温水暖房システム・使用木材・木製窓・建具・左官壁・建物外周などの状態を確認します。
真南に向いたこの窓からは、羊蹄山が真正面に見えます。
外から見ると、羊蹄山がこの窓ガラスに絵のように写るはずですが、この日はあいにく雲に隠れていました。
反対側のレンガ敷きの玄関ポーチには、自家製のひまわりと黒い陶器の鉢にグリーンが活けられていました。
歓迎感があって嬉しくなります。
玄関ポーチの脇にある、飼い猫たちの通用口ドアとレンガの階段です。
猫への気遣いが微笑ましい。
玄関ドアを開けて出てこられたオーナーご夫妻。
広い水田での稲作がメインですが、他にもカボチャなどの野菜を作っておられます。
今は羊蹄山麓ブロッコリーの収穫でお忙しそう。顔と腕、陽に焼けています。
この家は玄関ポーチの土間も玄関内土間もオーナーのセルフ工事でレンガを敷きました。
江別市野幌のレンガ工場に自ら買い付けに行っています。 → レンガ買付けの時の様子はこちら
田畑の作業で靴の裏に付いた土が、そのレンガの上に日々少しずつ被っていきます。
レンガ色はボケてしまいますが、それはそれで暮らしの自然な風合いを得るということ。
働く場と働き者の土埃にまみれたレンガもよいのではと思います。
玄関の飾り棚には、季節感のある涼しげな品々が。
旧宅の建具に使われていた、夜空に瞬く星をモチーフにした柄の昭和型板ガラス。
この家の洗面とトイレの引戸の小窓に再利用しました。
こうして明かりが灯ると、懐かしさと和やかな感情が静かに湧き上がってきます。
真鍮製の壁付ハンドル水栓と銅製の角型ボウルを選んだ、こだわりの手洗い。
もうすっかりよい感じの色風合いに変わっていました。
優しく香るアロマオイルポットと粉引きの花入れに野草が挿してあって、洒落ています。
草木染めの涼しげな布がタペストリーとして。
絵柄がなくても、ささやかに物語るものです。
雲がなく晴れていれば、ニセコアンヌプリが一望できる西側の窓と、こじんまりとしたダイニングスペース。
外は緑いっぱいの土地ですが、室内にも緑が増えていました。
2階吹き抜けから見下ろしたダイニングキッチン。
この家は、このピッタリとした親密感がとても気持ちよいです。
ご夫妻二人と猫2匹の住まいだったこの家に、今年から新しいご家族が加わりました。
ここの悠とした風景と自然、丁寧に育む農作物がいつもそばにある。
そして、年々住み馴染んでいくこの住まいで、楽しく健やか元気に育っていゆくことでしょう。