建築完了検査が無事に済む
2021年2月28日
中標津町の「パンと珈琲のこうば」店舗兼用住宅新築工事の現場は、先週、建築完了検査でした。
中標津町役場の建築指導係の方々をはじめ、店舗部分の消防設備の確認で消防署の方々も現場に。
カフェスペースの森への出入口ドア脇の壁に設置した、避難口誘導標識の確認中。
「高輝度蓄光式」(こうきどちくこうしき)という消灯後も(停電した際も)、数十分間発光するタイプです。
そして、この建物の課税評価額を決める「家屋調査」で、税務課の方々もやってきました。
各部分の仕上げ材料や寸法を細かくチェック中。
厨房エリアの仕上げ素材を確認中。
厨房はガスバーナーを使う「火器使用室」となるので「内装制限」等がかかります。
そして、ステンレス天蓋の中に設置した換気扇の換気量もガスバーナーの消費カロリーで決められているので、
後日、使用前(営業開始前)にも設置機器の確認などをすることになります。
壁の石膏プラスター塗り仕上げが遅くなったので、大工さんが完了検査当日に階段手すりを取り付けていました。
真鍮製のブラケットに、手触りのよいタモ材丸棒の階段手すり。
この階段は、1階の店舗と2階の住まいを繋ぎ、気持ちを切り替えるところとなるはず。
2階住宅リビングの南東角の連続窓からの冬景色。
カシワとナラとエゾマツなどの森の樹々と青い空と白い雪、だけが見える。
その室内は、白い壁とトドマツ小割り板張りの天井と、空間を支えるカラマツ集成材の柱と梁組みが、シンプルにスッキリと見える。
棟梁の上で3.4メートルの高さがあり、窓に向かって1メートル程下がっている山型の傾斜天井のリビングダイニングキッチン一体空間。
この広さと高さと明るさは実に心地よいのです。
建築完了検査も無事に済み、ここにしばし佇んでいると、何とも爽やかで晴れ晴れした気分になっていました。
「パンと珈琲のこうば」のオーナーご家族も、これから毎日こんな気分になるのかなと。
ニレとコブシとスギと雪
2021年2月13日
雪解けの頃から新築計画が始まる敷地へ行ってきました。
この時期は積雪がピークを迎えるので、その状況を見ておこうと。
敷地内の南東角辺りにそびえる、高さ15メートルくらいあるキタコブシの大木。
枝先には無数の冬芽がついていて、銀毛がキラリと光って見えます。
これが4月末に開いて花が咲く。
北国では、長くて厳しい冬を経た春に、真っ先に咲くコブシの純白の花は、桜より印象深いかもしれない。
そして、敷地の北東角あたりには、ニレの巨木があります。
浅く縦に裂けて剥がれもあるこの樹皮の様子から、オヒョウニレではないかと思います。
5月に開く新葉を見れば、葉先にハルニレとの違いがあるのでハッキリと分かる。
オヒョウニレはアイヌと関わりの深い樹です。
2020/11/20 原生林の息づかいを感じる土地
原始林に繋がっている、この敷地のシンボルツリーであり、それ自体が原生樹であろうニレとコブシです。
敷地から7〜8メートル降りると、こんな沢地形となっている。
雪の上には無数の足跡。
沢に沿って何度も往復した形跡があって、獣道のようになっていました。
この辺りは、敷地から広く見下ろせる感じなので、冬は雪の上を行き交う動物の観察も楽しめそうです。
対岸斜面にはスギが植えられています。
樹齢50年は超える幹太さ。
北海道 札幌ではスギは自生種ではなく、本来は目にするのも珍しいですが、この敷地から近い円山公園にもスギ並木があったり。
本州出身の方にとってはスギは最も身近な樹ですから、この地域は懐かしく馴染みやすいところと思えるかもしれません。
こんなワイルドな樹々や地形の住宅敷地が、200万人が暮らす大都市札幌の中央区にあるのです。
壁の塗り仕上げが始まる
2021年2月3日
工事が終盤に差し掛かっている、パンと珈琲のこうばの新築工事の現場監理で中標津へ。
新型コロナの往来自粛、年末年始の休みなど諸々の事情があり、おおよそ2カ月ぶりです。
新千歳空港から根室中標津空港までの約1時間の飛行中、
飛行高度が低いお陰で、この日のように晴れていれば、阿寒湖周辺の絶景が拝めます。
今回は撮影していませんが、屈斜路湖や摩周湖もよく見える。
真っ白な雪を冠った阿寒富士と雌阿寒岳。
左端にはわずかにオンネトー。
そして、左端に阿寒湖、中央には雄阿寒岳、その右奥にはパンケトー。
さて、9時過ぎに中標津の現場に到着しました。
1階の店舗のカフェスペースは、屋根勾配なりの傾斜天井となっています。
そこに、無塗装の松材小割り板を目透かしで(数ミリの隙間をあけて)張りました。
小節が適度に散らばってあり、杢目が目立たず、無垢木材を使いながらのこのプレーン感はなかなかよい感じです。
そして白っぽい木地色なので、これから壁に塗る石膏の白さと馴染みがよさそう。
一方、いくつか見えてくる柱と梁はカラマツ集成材で赤っぽさがある。
こちらは、シンボリックに少し目立つくらいがちょうどよいです。
まあ、数年で木は日焼けして同色化していきますけれども。
仕上げに携わる職人さん親子。
塗装も左官もする、珍しい(貴重な)タイプの方々です。
職能者が少ない地方では、こんな有能多才な人たちが結構おられるのかも。
ちなみに、オーナーご夫妻とお知り合い、というか浅からぬお付き合いがあるようです。
この新店舗兼住宅の仕上げ工事業者として、オーナーのご指名でした。
仕上げは肝心。
頼みます。
設計監理契約をしました
2021年1月31日
札幌市内の33坪角地に建てる新築住宅の計画。
2021年1月31日に、設計監理請負契約をさせていただきました。
諸事情あり、随分お待ちいただくことになってしまい、申し訳ありませんでした。
これから、工事の内容と工事見積もり金額を少し調整して、
5月着工10月完成という、北海道においては理想的な工事スケジュールで進めていきます。
シンプルなプランと外観と素材使いで、気持ちのよい住み心地の家となりそう。
場所のよさと相まって、快適な街暮らし家暮らしを実現しましょう。