家と草木のアトリエhausgras

家と草木のアトリエhausgras
ワーク・リポート

施主・建主さんとのプランの打ち合わせ、スケッチ・模型・製図、土地探しのお手伝い、
着工した物件の現場監理と現場での打ち合わせの様子など、業務の一端をお伝えします。

原生林の息づかいを感じる土地

2020年11月20日


札幌市中央区で土地探しをされている方から、この土地を見て欲しいとご連絡をいただき行ってきました。
人口200万の大都市札幌の生活利便性のよい住宅地に、こんな場所があるのです。


道路と接する前側は盛土されているように見えましたが、その他の部分は本来の地形で傾斜地。
裏側は、沢地形の法肩を含む2段地になっています。

札幌市中央区の巨木が立つ傾斜地の住宅敷地

その法肩あたりにそびえる、オヒョウニレとイタヤカエデの巨木。
左奥には立派なキタコブシもあります。

北海道札幌市中央区の巨木立ちクマザサ生茂る傾斜地の敷地

他にも、ヤマザクラ、ヤマモミジ、ミズナラ、ハリギリ、カツラなども。
いくつものヤマブドウの太い幹が伸びて樹々に絡み、地表にはクマザサがびっしりと生茂る。

原生林と繋がっていて、その息づかいを感じられる土地でした。

オヒョウにれの巨木を見上げてみる オヒョウニレの樹皮

オヒョウニレの巨木を見上げてみる。
古木感漂い、樹齢100年以上は優にありそう。

アイヌ語では、織物の繊維をとる樹皮を「オピウ」と言うらしく、オヒョウの名はこのオピウからきている。
また、オヒョウの樹をアイヌでは「アッニ」と言い、「アットゥシ」というアイヌの織物の名前の由来になっているのだとか。

こんな土着的な樹々と原初の地形を間近に眺めながら暮らす日々は、
人の気持ちを、よりプリミティブにしてくれるに違いない。




上棟とレンガ積みと植樹

2020年11月4日


新築工事が始まって1ヶ月が過ぎ、中標津の店舗兼住宅が上棟しました。

私が現場に到着した時は、カラマツ材の屋根垂木架けが進んでいるところでした。

上棟した中標津の店舗兼住宅

そのすぐ傍で、施主ご家族のセルフビルドのレンガ積みも同時進行です。

夫婦と娘さんとお母さん家族4人でレンガ積みセルフビルド

ご夫妻と娘さん、そしてお母さまも。

家族で赤レンガを積むセルフビルド工事

手作り食品製造・販売業を営み、現店舗の内装をセルフ工事した方々ですから、作業の要領がよくてしかも上手。
私が想定したよりも速く積み上がっていき、15段430個を2日足らずで積んでしまいました。

新築中の店舗兼住宅とレンガ積みセルフビルド

建物と少し離れた所に築かれるレンガ壁。
隠したいモノと気づいてもらいたいモノ、両方のためのレンガ壁となります。

中標津の家の2階から武佐岳を望む

上棟したばかりの店舗兼住宅の2階からの眺め。
国道の奥には黄葉真っ盛りのカラマツ防風林。そしてその奥に見える山影は、標高1005メートルの武佐岳(むさだけ)。
かつては「チセネシリ」と呼ばれていたそうで、アイヌの言葉で「家のような形の山」という意味らしい。
確かにチセに似ているような。


道東 中標津町の新築住宅の敷地にエゾヤマザクラの苗木を植える

レンガ積み作業の合間に、エゾヤマザクラの苗木を数本植えました。

高さ2メートル程の、今はまだか細い苗木。
桜の花見ができるであろう数年後が楽しみです。

中標津の新築住宅敷地内にエゾヤマザクラの苗を植える親子

この辺りの林はミズナラとカシワそれにシラカバとエゾマツばかりですから、
この敷地内に中標津の在来樹種、エゾヤマザクラ・ハルニレ・イタヤカエデ・ヤマモミジ・コブシ・シナノキ・ナナカマドなど植樹していって、
本来の植生豊かな森に近づけたらよいのではないかと。


中標津の森に囲まれた木の家

私が現場を離れる頃、2階切妻屋根の垂木が架け始められました。

実に優しいフォルムの木の建築です。
人をそっと包み込むような建築、人と建築をそっと包み込むような森、となることでしょう。




窓と木造軸組みの納まり

2020年10月16日


現場では基礎工事が順調に進んでいる、中標津の店舗兼住宅の新築工事。
埋め戻しが済んで、今週末に土間コンクリートが打設されるとのこと。寒さがやってくる前でひと安心です。

来週からは土台敷きが始まる予定。

木造軸組みに取り付ける木製窓と樹脂サッシの納まり詳細(手書き図)

この間に私は札幌の事務所にて、窓ドアの納まり詳細を手描きしたり、
木造軸組みの寸法・位置・納まりをチェックし続けていました。
「手指を動かしながら考える」というのは、20代に家具工人や大工として働いていた時から変わりません。

検討した結果、窓とドアのいくつかは、サイズ変更して調整することに。

プレカット伏せ図に手書きの書き込みをしてチェックする

プレカット伏せ図に赤ペンで書き込み。
何度か図面を修正してもらい、お手数をおかけしました。

仕口金物の指定や面剛性などについても合わせて検討しつつ。

プレカット伏せ図に仕口金物の指定書き込み

今月末か来月初旬に、現場で組み上がった姿が現れます。




中標津の店舗兼住宅が着工

2020年10月7日


中標津の店舗兼住宅の新築工事。
9月下旬に着工して、砕石パイル工法による地盤改良工事はすでに済ませ、現在は基礎工事が進行中です。

中標津町の店舗兼用住宅の基礎工事外断熱

中標津町は凍結深度が90センチなので布(コンクリート壁部分)が高い。

店舗兼住宅の外断熱基礎の鉄筋配筋間隔

鉄筋の間隔を確認します。

店舗兼住宅の基礎コンクリート(外断熱)のフック付き鉄筋配筋間隔

かぶり厚さとか賛否両論ありますが、タテ鉄筋の頂部はフック付き。



新店舗と新居を取り巻く森のナラとカシワの葉は、もう黄葉し始めていました。
道東の秋は、一足先にやって来ます。

中標津の店舗兼住宅の基礎工事を見守る施主夫妻

現場での打ち合わせを済ませた後、基礎工事を見守る建主ご夫妻。
お店がとても忙しそうで、現場をゆっくり見る時間が無さそうでした。

今月下旬に現場で柱と梁組み(建て方)が始まり、今月末には上棟する予定です。




フリー土間とラフ模型

2020年9月28日


札幌市内の33坪角地に建てる家の計画。
何度かプランの打ち合わせ重ねて、玄関土間と繋がった自由に使える土間空間を設けることになりました。

自由に使える土間空間があるプラン

6畳ほどの広さですが、玄関土間との間仕切り引戸を開けると、12畳くらいの広さに見えるのではないでしょうか。
趣味的な使い方をされると思いますが、南東方向の窓辺は観葉植物を育てるのにもよさそう。
来客の応接にも、玄関続きなので都合よいスペースとなるかもしれません。


平面プランの方向性が決まったので、1/100スケールのラフ模型を作成して見ていただきました。

一戸建て住宅の1/100スケールのラフ模型を見てもらう

現段階の家の全体像は、模型を見ていただくことでハッキリとお伝えすることができます。
ゆったりとした勾配の切妻屋根の下は、程よい広さのリビングダイニング、プラス畳室の2階空間。
いつものことながら、木構造上重要な役割を担う柱と梁組みをシンボリックに見せます。

年内は図面を描き進めながら、工法・仕様と造作の詳細を詰めていきます。




中標津にて工事契約・設計契約

2020年8月25日


建築吉日の2020年8月25日の午前中、中標津の建設会社事務所にて工事請負契約をしました。

中標津の店舗兼用住宅の工事契約

ナラとカシワの森に建つ店舗兼用住宅の工事を請け負ってくださるのは、創業50年の中野建設さんです。
建設予定地の前面道路を挟んで、ちょうど向かいにあるというご縁もあり。
穏やかな雰囲気の社長さん。頼りにしています。

中野建設社長と施主夫妻

その後、建設予定地へ。


建設予定地は雑木の森に囲まれている

道路から20メートル程入った、この辺りに店舗兼用住宅が建ちます。
見てのとおり、ミズナラとカシワの樹々に囲まれて。
無数にある細いエゾマツは間引いてかなり減らしますから、
森の視界はもっと透き、林床にもっと光が届き、明るい印象になるはず。

新しくできるお店だけではなく、この雑木林にも、訪れるお客さんが親しめれば素敵です。
ちょっとした散策路だとか、森の中のオープンカフェだとか。


お店で設計監理契約をする

それからさらに場所を現店舗に移して、設計監理契約をしていただきました。今更ですが。

ようやく、ここまでたどり着きました。
でも、工事が始まったら、出来上がるのはあっという間。
来春が実に楽しみです。




ナラとカシワの森の中に

2020年8月14日


道東 中標津町でお店を営むご夫妻から、新店舗兼住宅の設計のご相談をいただいて、
その郊外にある、この森を初めて見に行ったのが2017年の8月中旬でしたから、ちょうど3年が経ちました。

中標津のミズナラとカシワの森・防風林・雑木林

根釧台地の整然と矩形に区画された「格子状防風林」に守られた農耕酪農地帯。
その中にあって、自然な状態の一辺として存在している雑木林です。

中標津のナラとカシワの防風林・雑木の森

パッと見でも分かるように、ミズナラとカシワが多くあります。
それは、開拓当初から防風林と薪炭林(薪燃料を生産する林)として維持され活かされていたからでしょう。

ナラやカシワは堅い良材で、人との関わりも深い木。かつては鉄道枕木としても使われていました。
どうやら、枕木の需要が急増した昭和前期に、中標津のナラ・カシワは多くが伐られてしまったらしい。
それ以後に生長した樹々なので、背は高いけれども幹がそれほど太くない。
どれも樹齢は100年に満たない、比較的若々しい森です。


ナラとカシワの林床で新芽が出る

林床は、ミズナラとカシワの落ち葉だらけでフカフカの腐葉土。
そこから新たな樹の芽・草の芽がたくさん芽生えています。

ドングリから根と芽を出すミズナラ

ドングリから力強く根と芽を出すミズナラ。


雑木林を切り開いて整地された敷地

防風林としての機能する雑木林はしっかり残し、店と住まいの建物スペースと駐車スペースの分だけ整地されました。

林の中が少し暗く見えるのは、後年、密に植えられた細いエゾマツが残っているから。それらは間引いてしまう予定。
その代わり、この地に適したいくつかの在来種の広葉樹を加えていくのがよいと思っています。
白樺やハンノキなどのカンバ類やハルニレ・イタヤカエデ・キタコブシ・エゾヤマザクラ・ナナカマドなどです。


ミズナラとカシワの森の中に建つ新しい店と住まいの外観イメージスケッチ

ミズナラとカシワの森の中に建つ、新しい店と住まいのイメージスケッチ。

瀟洒な店と住まいの模型の外観。

道路からアプローチして見えてくる瀟洒な外観。

ミズナラとカシワの森を眺められる連続窓のある室内。

雑木の森を眺められる連続窓のある室内の模型

新築工事は来月から始まる予定です。
現在、着工に向けて諸準備が着々と進行中。

順調に進めば、来年の春に新店舗オープンとなりそうです。




角地の小住宅のプラン始め

2020年8月10日


札幌市内のとある住宅地。その角地で日当たりのよい33坪の土地。
ここに小さな木の家を建てるべく、先月からプランづくりが始まりました。

札幌市内の住宅地の角地に家を建てる

接する2つの道路とも歩道付きでそれなりに広く開けているので、ここに新築される家は土地の狭さを感じさせないはず。

最初の平面プランスケッチを見てもらう

家へのご要望をうかがって、まずは最初のラフプラン2案を用意して見ていただきました。

リビングダイニングにつながる畳室があるとよいかもとか、
これから在宅勤務が増えるかもしれないので仕事場コーナーも。

内土間と外土間のある家のラフプラン

趣味の自転車とキャンプ道具を手入れするための「土間」が欲しいとも。
内土間と外土間(ピロティ)合わせて、12平方メートル(7〜8畳)です。

今のところ、小さい家になりそうなので、それぞれこじんまりと確保しました。