
階段から2階のカラマツ集成材の大黒柱と梁組みを見上げる。

赤味のある北海道産のカラマツ材の2階床梁は、渡りアゴ掛け組みで跳ね出しています。
その床梁組みの下に暖房温水が流れる銅管が走り、その横を黒皮(黒い酸化被膜)の鉄の階段手すりが上る。


家の中心にあるカラマツの板を使った直階段。階段板は踏み板も蹴込み板も、唐松の無垢板です。
1段の高さが17センチ弱のユッタリとした階段で、踏面は30センチ横幅は91センチ。
無垢の木は乾燥していくと収縮と反りが出るので、それを使うからには、特別な工法と心構えが必要です。
また、踏み板の表面には「うづくり」加工をしています。
板の表面に「うづくり」(浮造)を施すと、木の柔らかい部分は削れて窪み、堅い部分は削れずに残る。
表面にできたこのデコボコが、足裏の滑りを防いでくれます。

階段のギザギザ・斜めに上がる鉄の手すり・菱形枠のガラス窓・格子の障子が程よく混じり合ったアングル。



壁を抜いてつけた明かり取りのガラス窓のライトアップ。この壁の裏側は洗面スペース。
菱形の木枠を中央に配し、縦波(モール)とマダラの2種類のレトロな柄の型板ガラスを組み合わせています。
窓辺にはスウェーデンの工芸作家 リサ ラーソンのライオンが。


木地色のカラマツ板と漆喰塗りの白い壁で明るい玄関ホール。
引戸にはめ込まれたレトロな柄「夜空」の型板ガラスを嵌め込んだ引戸のガラスと、
懐かしい形のガラスシェードの玄関ペンダントライトで気持ちが和みます。

陽射しが差し込んで、カラマツ無垢板張りの天井と床がより爽やかに感じられる。玄関土間から。

玄関の木製ドアに掛けられたリースがお出迎え。

奥行きのある玄関アプローチ。
玄関ポーチとカーポートは1.5メートル程の高さの差があり、道路から約15メートル奥まった所に玄関ドアがあります。
この配置計画によって、道を歩く人と室内の視線がズレ、また遠くなり、少し落ち着きます。
また、窓から眺める景色もよりよくなり、道からこの家を見ると実際の大きさの割に威圧感が無くて好印象です。

奥行き方向にも水平方向にも伸びやかな外観。

このように、カーポートの片流れ屋根・住宅の1階建て屋根・住宅の2階建ての切妻屋根が重なっています。
周囲に見える山並みの重なりに順応しているようにも見える。

道に近い屋根は低く、段々高くなっていく屋根。