
この家のいくつかの建具の小窓に昭和の型ガラス(型板ガラス)を使っています。
これは寒い日のガラスにできる氷の結晶を模した柄。
針葉樹の葉やシダの葉のようにも見えて、ボタニカルでもある。


こちらはのレトロ柄のガラスは、卍崩し(紗綾形 さやがた)を有機的にしたような繋ぎ文様。
ジグソーパズルのようでもある不思議な型のガラスです。
実は、この柄は「カラタチ」(唐橘 からたちばな)を模しているようで、本当にボタニカルなのはこちらでした。


バスルームの壁と天井には、マツの無垢材の羽目板を張りました。
板の撥水保護剤には、後々の建主さんによる再塗装メンテナンスを考慮して、オスモのエキストラクリヤーを塗っています。
一般的に使われる木材の撥水保護剤は有機溶剤の臭いが強すぎて、作業する際とそれが乾くまでの間、かなりのストレスに。
日本製の厚さ8ミリもある重厚な鋳物ホーロー浴槽(本体重量は約100キロ)を据えて、
現場施工のFRP防水塗りで床から腰壁までと浴槽周りをシームレス(継目無し)な仕上げにしています。
厚さのある鋳物(鋳鉄)の浴槽に長めにつかると、遠赤外線効果で体の芯から温まれる。

無垢の板を張ったバスルームは、やはり気持ちがよいです。
ただ、浴室は常に湿度が高くて木がカビやすい環境ですから、どなたにでもお勧めできるというわけではありません。
いくつかの事柄を毎回することができるならば、より永く綺麗な状態を保てます。

洗面カウンターのある洗濯脱衣室から、バスルームの乳白パネルの上吊り引戸を見る。
バスルームの光を透かし軽くて丈夫な、中空構造の乳白パネルです。
バスルームの照明の温かみのある色合いも、綺麗に透かします。


全て木製でオーダーメイドした洗面カウンターと化粧品収納棚。
木部にはオスモ(ドイツ生まれのオイルステイン)を塗っていて、撥水効果がありますから水を弾きます。
使い方にもよりますが、数年毎の再塗装メンテナンスは必要です。
でも、そのまま塗り重ねるだけなのでとても簡単。

夕暮れ時、2階フリールームに明かりが灯る。


吹き抜けから、1階の明かりの様子もうかがえる。

階段のブラケットライトの明かりが、鉄の手すりの影を床板に映す。
