家と草木のアトリエhausgras

コンクリート打ち放し空間の壁に掛けられたカナディアンカヌー

「 円山と神社山を望む家 」のRC空間の壁にカヌー

円山と神社山を望む家3
ー 1階コンクリート打放し空間 ー


1階 鉄筋コンクリート造(壁構造)・2階 木造の混構造の、家と草木のアトリエ hausgrasの事務所兼自宅。
コンクリート打ち放し空間の1階には、設計室・多目的室(応接室)・サニタリー・ボイラー室があります。
1階には床下空間がありません。厚さ15センチのコンクリート土間をそのままの1階の床として使うことで、
建物全体の高さを抑え、同時に1階の天井高さを確保し、内装工事の一部を省きコストダウンを図りました。
床も壁も天井も、艶のないザラッとした質感のコンクリートでは、無機質で味気ない雰囲気になりますが、
インテリアグリーン(観葉植物)を置いたり、絨毯やキリムやラグを敷いたり、藍染め布を壁に掛けたり、
その他、素材感があるモノ色艶がよいモノを引き立ててくれる、実はよきバックグラウンド(背景)です。
窓から見える庭の草木や山の樹々の緑も、降りたての白い雪も、より鮮やかで瑞々しく感じさせてくれる。

そんなコンクリートには、「熱容量(熱を蓄えられる量)が大きい」という熱的な性質があります。
夏場は、夜間の気温で冷やされ、日中の室温は上がりにくく、涼しく快適に過ごせる時間が長くなります。
一方、冬場は、温水セントラルヒーティングで一旦温めらたコンクリート空間は蓄熱体として働くので、
温水が流れていない時間も室温は下がることなく、24時間ほぼ一定の温度を維持し続けてくれます。
コンクリート空間は、こんな温熱環境となりますが、それはメリットばかりではないので留意ください。
夏場の外と室内との温度差は、室内に結露を生じやすくする、ということはデメリットですし、
冬場に何らかの理由で暖房が止まり、コンクリート空間が冷えてしまうと、なかなか温まりません。
コンクリート空間のメリットとデメリットをどちらも受けとめて、上手に対応して過ごしていきましょう。

コンクリート打ち放し空間の連続窓から一望できる庭

1階はコンクリート打放しの空間で、庭を一望できる連続窓があります。
1階床面は、庭のグランドレベル(地盤面)から50センチ程下がっているので、
連続窓から見る庭は、より目線に近く感じられて、草木花の変化に気づきやすい。

コンクリート打放しの空間

コンクリート平滑均しの土間床なので、庭の苗づくりや用土づくり、木製家具づくり、金属加工、
趣味のスキーやカヌーやフライフィッシングの道具メンテナンスなど、多目的に使うには好都合。
また、家の設計の打ち合わせルームとしても使っています。

窓際に置いた円卓でコーヒーを飲む

時には庭を見ながらティータイムも。

連続窓から望める庭とその奥に円山

連続窓からは庭だけではなく、程よい距離感で円山が望めます。

庭から見る、赤レンガに縁取られた連続窓とコンクリート打ち放し空間。

レンガに縁取られた連続窓とコンクリート打放し空間

カツラの一枚板と古い木製馬のテーブル

多目的に使う都合上、テーブルは天板と脚部を分けて仕舞えるように、
カツラの一枚板を木製馬(板を載せる木製脚立)に載せるだけの「アトリエテーブル」形式で使っています。
また、天板のサイズを変えたりすれば、いろいろテーブルアレンジが効くのでよいです。

ハーブの鉢を載せたカツラの作業台

コンクリート空間は熱容量が大きいので、安定した室温の保ち、夏は涼しく冬は温かい。
観葉植物を育てるのに、よりよい室内環境かもしれません。


カナディアンカヌーをコンクリート打ち放しの壁に掛ける

コンクリート打放しの壁に、カナディアンカヌーを縦に掛けています。
こうすると、カヌーの出し入れがより楽で、スペースも節約できるし、カヌーの見え方も一番よい。

設計の仕事部屋 KEVIチェア ケビチェアとMac

1階の一番奥は、設計の仕事場兼倉庫。
長さが7メートルあるL型のカウンターデスクと、使いやすい高さに設置した壁付け本棚があります。

設計の仕事部屋 L型カウンターデスクと壁付け本棚書棚

木工大工道具 カンナを並べて掛ける

そして20代に家具職人、大工をしていた時に使ったカンナ、ノミ、ノコギリ、玄翁など木工手道具のラック。
二人分なので数が結構ある。今でも時々使っています。


コンクリート打放しのサニタリー

コンクリート打放しのサニタリーバスルーム。浴槽は鋳物ホーローバス。
水栓はコンクリート壁に埋め込み、洗面陶器は壁に直付けしてシンプルにコンパクトに納めました。
水が直接かかるコンクリート部分には、撥水剤を塗っています。

コンクリートに埋め込んだバス水栓とシャワー

鋳物ホーロー浴槽に水を張る 柚子を浮かべる

鋳物ホーローバスは長く浸かっていると、お湯で温められた鋳物の遠赤外線効果で、体の芯から温まります。

コンクリート打放しの天井と壁、ブラックスレートを張った床。
このモノトーンで無機質な空間に、裸の人が入ると、その生々しさとの対比が面白いです。

コンクリート打ち放しの天井と壁 ブラックスレート張りの床 バスルーム サニタリー

コンクリート空間のアルコーブに置かれた古いペザントチェア(農家の椅子)とヤマハギの枝。
コンクリートは、木や草の緑を活かす。と思えます。

コンクリート打ち放し空間のアルコーブに置かれた古い木の椅子と枝