家と草木のアトリエhausgras

赤レンガ積みと墨色板張りの外壁とヤマブキの黄葉

ヤマブキの黄葉に彩られる「 円山と神社山を望む家 」

円山と神社山を望む家2
ー 窓の風景とレンガ積み板張り壁 ー

この、家と草木のアトリエ hausgrasの事務所兼自宅が建つ土地は、山間の斜面を造成した住宅地の一角にあります。
1階は躯体が鉄筋コンクリート壁構造で、その外側に北海道産の赤レンガを積みんだ2重壁。2階は軸組木造の混構造。
2階の外壁は、北海道産のトドマツの無垢板に墨黒色のオイルステイン(オスモカラー)を塗って縦張りにしました。
ゆっくりと育んだ庭の草木と周囲の山々の四季の変化を身近に感じながら暮らし、行動と思考のベースとなる場です。


この家の敷地は、傾斜地を宅地造成した四角形で約90坪の広さなのですが、東西南北の4つの境界線辺にはいずれも、
隣地や隣接道路との段差(0〜1.5メートル高)を緩衝させる斜面(法面)が付いて、平坦な部分は60坪くらいです。
家はこの敷地の西側に寄せて建てました。切土による窪地となっている部分で、支持地盤のよさを優先したからです。
その結果、高くなっている隣地と隣接道路が家の間近に迫り、1階は半分埋もれているかのような格好になりました。
斜面が近いことや、夏の雨露と冬に積もる雪の影響を考え、より強度と耐久性のある鉄筋コンクリート構造の1階に。
外壁コンクリートには、押出法発泡ポリスチレン断熱材(スタイロフォーム)を貼り付けた外断熱とし、その外側に、
断熱材の保護と外壁仕上げ意匠を兼ねて、北海道野幌産の赤レンガ(ヨウカンレンガ)をセルフビルドで積みました。
素朴な無垢の木とレンガの丹念な装おいをし、高さが程よく抑えられ、周りの土に抱かれているかのようなこの家は、
庭の草木花の季節ごとの変化や、深く積もる雪と、いつも周りの自然と親密な関わりを持っていると感じられます。

真っ直ぐな階段をのぼった先に見える窓と山の緑と空の青

2階の窓へと真っ直ぐに伸びる階段。
この家は、このシーンをメインに据えることでプランが決まりました。

2階の窓から望む神社山の緑

2階の窓から望む神社山の緑。
遠すぎず近すぎず、ちょうどよい距離感で眺められます。

秋が深まり、神社山の紅葉の彩りが鮮やか。
北側を向いた窓なので、南からの日差しを受ける山が明るく色鮮やかに見えるのです。

神社山の紅葉の彩りを切り取る窓

窓から望む新雪が積もった神社山

この新雪が積もった、クールで静かな美しさの冬景色もよいです。
モノトーンで簡素な室内が同調している。(モノクロ画像ではなくカラー画像です)



庭に面した連続窓と赤レンガの外壁と庭の緑

円山と裏山が映る庭(ガーデン)に面した連続窓。赤レンガ積みの外壁と庭の緑のコントラスト。
連続窓の下端が庭のグラウンドレベルと同じくらいなので、草の緑と窓と赤レンガに、より親密な感じがある。

庭の緑越しに望む家

庭越しに眺める家。春から秋は庭いっぱいの緑に囲まれます。

白花と草葉の緑と赤レンガの家

初夏に咲くヤマボウシの白い花ガクとミツバの白い花と草葉の緑と、赤レンガ積みと黒い板張り。

初秋はムクゲ(木槿)花に彩られる、赤レンガ積みと黒い板張りの家。

ムクゲの花と赤レンガと黒い板張りの家

ヤマブキの黄葉と赤レンガの外壁

晩秋は、ヤマブキの黄葉が被るようにある、赤レンガとの色鮮やかな対比。

初冬の雪は、赤レンガと板張りの墨色が温かく見えます。

雪が積もる中に建つ赤レンガ積みと墨色の板張りの家

真冬にはこの辺りに積もる雪の多さで、家の半分程も埋もれたように見えることもあります。
また、山合いの住宅地なので降り積もった雪はなかなか融けず、4ヶ月間は雪景色が続く。

積もる雪と白いレンガの壁1

積もる雪と白いレンガの壁の連続性。
赤レンガを積んで、表面に厚く漆喰を塗り、「白いレンガの壁」にしています。

積もる雪と白いレンガの壁2