大陸の乾いた高気圧に覆われはじめた北海道。
カラッと晴れて風弱く気持ちのよい初秋の日曜日です。
カナディアンカヌーを漕ぎに、支笏湖へやってきました。

美笛キャンプ場から出発して北へ。
今回はちょっと頑張って、5キロ程先にある恵庭岳の麓岸、オコタンへ向います。
二人乗りで道具一式をカヌーに積み込み、到着した岸辺でランチとカフェを楽しむことに。

適度な強度と軽くて浮力がある、16フィートのロイヤレックス艇。(艇自重は約27キロ)
一人乗りだと喫水線が下がって、艇の側面が広くあらわになります。
そうすると、ちょっとした横風(風速5メートルくらい)でも風圧の影響が大きくなり、舟を操るのに難儀します。
しかも舟底にキールの無いフラットボトムですから尚のこと。
元々、16フィートのカナディアンカヌーは、
タンデム(二人乗り)でキャンプ道具なども積んだ状態で、安定するように作られたモノ。
このカヌーの本来の使い方を、やっとしてあげられます。

美笛キャンプ場を出発してすぐに、シットオンカヤックのツアーも見かけました。
今日はカヌー日和なので、支笏湖では大勢の方々が楽しんでいるはず。
途中、何度か着岸して休み休み。

この年は北海道中の川や湖が渇水状態で、支笏湖も同じ。どこの岸辺も広くなっているようでした。
湖水は澄んで、秋晴れの空の青、岸辺の濃い緑をよく写しています。


この枯木はたぶん、脇の小川から株ごと流されてきたのでしょう。

これは初めての景観アングルです。
対岸の南東方向には、左に風不死岳(標高1102メートル)とそのすぐ右奥に樽前山(標高1041メートル)。
右に多峰古峰山(たっぷこっぷやま 標高660メートル)から連なる山々が見えます。
再び漕ぎ出す。

まだまだ霞んで遠い、恵庭岳。
恵庭岳の南に面した沢筋は、緑がハゲてグレー色になっています。
支笏湖周辺で被害が出た数年前の集中豪雨で削り取られた跡なのでしょう。

美笛キャンプ場を出発してから2時間。
ようやく、オコタンの西側、巨石のある岸にたどり着きました。


巨石には横筋がクッキリと入っています。周りの岩にも。
支笏湖の湖水は、あのラインまで増水することがある印。
この岸辺も完全に水没します。

あの川はオコタンペ川で、ここはその河口のようです。
巨石はオコタンペ川が増水した時に、ここまで流されて落ちてきたのでしょう。
他にも大きい石や大きな倒木が集まっています。

オコタンペ川は、秘境湖オコタンペ湖を水源としています。
深い森と火山灰層に濾過された、人の触れてない、清い水を支笏湖に注いでくれている。
ちょうど昼頃だったので、ここでランチ&カフェに。

なぜかこの辺りだけ風が強くて、ガスバーナーの火が消えてしまう程。
巨石の陰で風除けをしてお湯を沸かしました。

景色を楽しみながら、いつものとおり、挽きたてのコーヒー淹れる。
ランチ&カフェセットを携えての初めてのショートトリップは、なかなかワクワクしました。

以前はオコタン湖畔まで通っていた道道78号線が、美笛キャンプ場以北とオコタンペ湖展望台以南が閉鎖されていますから、
現在ここは、カナディアンカヌーなどの舟でしか来ることのできない秘境です。

そんな、とても贅沢な場所で過ごした時間。

美笛キャンプ場から二人でカヌーをゆっくり漕いで、オコタンまで往復5時間余り。
初秋の清々しい空気の中、支笏湖の濃い青と緑を、たっぷりと吸収させてもらいました。