家と草木のアトリエhausgras

春の美々川の源流部へカヌーで漕ぎ上がる(遡る)

春の美々川の源流部に向かってカヌーを漕ぎ進める

美々川の源流探検と真冬カヌー
ー 春の美々川源流部と真冬のパンケナイ沼へ ー

春の美々川の源流部への往復2時間余りのショートカヌーツアーは、原初的野趣な流れと春の野草をゆっくり堪能。
晴れてはいましたが、冷たい北風が川面を吹き抜け、日中の気温も−3℃までしか上がらなかった1月の真冬日に、
ドライスーツと厚ゴム手袋を装着して、美々川の支流パンケナイ川をカヌーで漕ぎ上がり、舟上コーヒーで温まる。

草木が萌え始めた、麗らか春のある日。
美々川(びびがわ)の源流部を目指してカヌーで漕ぎ上がってみようと思い立ちました。
この時期は流水量が多めで、カヤやクサヨシなどの水草がまだ生え伸び広がっていないので好機です。

美々橋上から望む美々川上流部

カヌースタートする美々橋から美々川の上流を望む。
15年前までは、この辺りも、水面が全く見えないほどのクサヨシで覆われていたようです。

ここからカヌーを漕いで北へ向かい、美々川上流の左支川を上り詰めます。
その行程は2キロ足らずらしいですが、どこまで行けるか。

美々川上流部へカナディアンカヌーを漕いで行ってみる

漕ぎ出してしばらくは、水流の幅がそれなりに広くて漕ぎやすいし、
河畔林の樹々の葉がまだ出ていないので、川面まで陽射しがいっぱい届きます。

美々川上流部のカヌー草漕ぎ

次第にクサヨシや水草、倒木で水路を塞がれがちになってきましたが、
草の上にカヌーを浮かせて滑らす草漕ぎと、迂回を繰り返して、少しずつ進みます。


春の美々川のヤナギの花

川岸辺のヤナギは、花が咲き始めていました。

美々川上流域に群生して咲く水芭蕉(ミズバショウ)

この時期の美々川の上流域には、いたるところに水芭蕉(ミズバショウ)が群生し咲いています。
もう本当にそこかしこに。

美々川上流の水芭蕉(ミズバショウ)

美々川上流域の水芭蕉を上陸して観る

最初は感激し、上陸して近くで眺めさせてもらいましたが、そのうち見飽きて目にとまらなくなる。
そのくらい広範囲に無数に咲いているのです。

美々川上流のヒメイチゲ

ヒメイチゲ(姫一華)。直径1センチほどの小さい白花。
大きな白い仏焔苞(ブツエンホウ)のある水芭蕉の群生の中で、ひっそり咲いているのを見つけると、ひときわ可憐に見えます。

湿地の林床を春めかす、行者ニンニク(アイヌネギ)の葉と、ヒメイチゲ、水芭蕉。

美々川の上流域の河畔林で咲く行者ニンニク ヒメイチゲ ミズバショウ

美々川の源流部で倒木がカヌーの進路を塞ぐ

遡上再開。だんだんと両岸辺の雑木が迫ってきます。
倒れて流れを塞ぐ樹も増えてきました。
探検気分で進んで行きます。

美々川源流部で倒木が進路を塞ぐ

美々川源流部に近づくと水草の密度が濃くなる カヌーから見る

水深が浅くなってきて、水草の密度も増えてきて、源流部に近づいてきている感じ。
カヌーの脇に見える珍しい広めの葉の水草は、ヒロハノエビモかな。

美々川源流部の流れにカヌーパドルと差し入れる

この辺りを流れている水は、澄んでいて本当に綺麗です。


美々川源流部でカナディアンカヌー停泊

途中の開けた場所の岸辺で、カヌー停泊。

アズマイチゲとフクジュソウが咲く春の美々川の源流部

陽当たりのよい斜面に、白と黄の花が咲いています。

美々川源流部で咲いているアズマイチゲ

アズマイチゲ(東一華)。直径5〜6センチもある大輪の白花。
ニリンソウ(二輪草)の葉も見えますから、この後、小さい白花が群生して咲くことでしょう。

美々川源流部で咲く福寿草(フクジュソウ)

福寿草(フクジュソウ)。葉が伸び伸びしています。


この後も引き続き、遡ってみましたが、
流れの中に、泥を被ったようなスギナモが多くなり漕ぎにくく、
さらに、嫌気性発酵臭(ドブ臭)が強まり不快になってきました。
この川環境の自浄作用(川に生きる生物の食物連鎖)を超えた有機物が入り込んできているようです。
止むを得ず、引き返すことにしました。

美々川源流部の風景(南向き)

戻りは南へ向って、明るいほうへ。
今度は流れに乗って下るのでスイスイ進む。
川面を通り抜けてくる、涼しい向かい風が気持ちよいです。

美々川の源流部で流れに揺れなびくクサヨシ

流水に揺れなびくクサヨシ。逆光で光って見えます。
この辺りまで戻ると水は綺麗なので、水中のスギナモも美しい。

美々川の源流部への探検。往復2時間余りのショートカヌーツアー。
原初的野趣な流れ、春の野草をゆっくり堪能できて、とても楽しい時間を過ごせました。




同じ年の春の別の日。美々川カヌーツアーに誘っていただきました。
美々川と千歳川をホームグラウンド(ホームリバー)としている、カナディアンカヌーグループのツアーで、
美々橋からタップコップ親水公園カヌーポート(新植苗橋)までの約10キロを下ります。

美々川の美々橋に集まったカナディアンカヌー4艇

今回は4艇8人で、いずれもタンデム(二人乗り)の参加です。
春本番を思わせる温かさの中、和やかなカヌーツアー。

美々川のミズバショウとカナディアンカヌー(カヌー)

途中、所々に水芭蕉の群生。

上流域(美々橋から松美々橋の間)は、湿地の雑木林の中を縫うように流れる美々川。
カーブが連続していて、漕いで舵取りに結構忙しい。
でも、流れは緩やかで川幅もそれなりにあるので、それほど難しくはありません。

春の美々川にてカナディアンカヌーツアー

カヤやアシやクサヨシの枯草色に、新芽の緑も入ってきました。
この緑が、これから瞬く間に広がっていきます。

春の美々川カヌーツアー

広々とした湿原域は、また違った清々しさがあります。
ただ、風の影響を受けやすいので、向かい風となる南風の時は苦労するかも。


同じ川でも、違う季節、新しいルートをたどれば、また新たな発見と感動があります。


真冬にカヌーをしてみようと、1月上旬に決行しました。
美々川(びびがわ)の支流、パンケナイ川をカヌーで漕ぎ上がって行けるところまで。
晴れてはいますが、冷たい北風が川面を吹き抜け、日中の気温も−3℃までしか上がらなかった1月上旬のこの日。
ドライスーツ(セミドライ)と厚手のゴム手袋は装着していますが、もし濡れてしまえば、凍傷やハイポサーミア(低体温症)に。
転覆しないよう慎重に行動しなければなりません。

美々川タップコップ親水公園カヌーポートの白鳥

スタート地点の美々川タップコップ親水公園カヌーポートで準備をしていると、白鳥がどこからか近づいてきました。
人にとても慣れている白鳥で、どうやらここに住み着いているらしい。

白鳥に先導されながらカヌーで美々川を遡る

その白鳥に先導されながら、カヌーを漕ぎだしました。
他の野鳥もたくさん、川の流れの上を旋回しながら飛んでいます。
オジロワシとオオワシかな。

美々川でカヌーを先導する白鳥

冬の美々川とカヌーと飛行機

新千歳空港がすぐ傍にあるので、飛行機も頻繁に行き来しています。

美々川の支流パンケナイ川の入り口

タップコップのカヌーポートから漕ぎ上がること500メートル余り。
西(左)岸側に、狭いながら支流の流入口が開いていました。
ここから、パンケナイ川に入って行きます。

美々川の支流パンケナイ川で真冬カヌー1

パンケナイ川に入ってしばらくは、カヌーがぎりぎり通れる程の細い流れ。
しかもクネクネと蛇行していて、葦も覆い被るように繁り、緩い流れながらも漕ぎ上がる(遡る)のは苦労します。

美々川の支流パンケナイ川で真冬カヌー2

美々川の支流パンケナイ川を真冬にカヌーで遡る(漕ぎ上がる)

国道に架かるパンケナイ橋をくぐると、
だんだん流れの幅が広がっていって、楽に漕げるようになっていきました。

美々川上空を飛び舞うオジロワシ

青空にオジロワシ(尾白鷲)。
ここ美々川流域だけでなく、千歳川でもよく見かけます。


4〜5キロほど漕ぎ上がって、川幅が急に広々と。

冬の美々川の支流パンケナイ川の倒木

流れもほとんど無く、池や沼と言ってもよいところ。

真冬のパンケナイ川に注ぐ冬の陽射し

南に低い丘があって日陰の水面。
そこに低い角度から、透明感のある冬の陽射しが注いでいます。

真冬の美々川の支流パンケナイ川の凛とした風景

凛とした静けさのあるよい風景。

冬の美々川の支流パンケナイ川にてカヌーの上でコーヒーを飲む

しばらく味わっていたい場所でしたが、動かないでいると、すぐに凍えてきてしまいます。
日なたの岸辺にカヌーを着けて、熱いコーヒーとサンドイッチで外ランチ。
でもやっぱり、すぐに手先足先が冷えてきて堪りません。

あまりゆっくりすることも出来ずに、戻ることになりました。

美々川の支流パンケナイ川で真冬にカヌーを漕ぐ

戻りは流れに乗れるので楽です。
パンケナイ川の流れはかなり緩やかですが、それでも、漕ぎ上がるのと流れを下るのとは大違い。

さあ、もうパンケナイ川と美々川の合流地点、間近。

真冬のカヌー1パンケナイ川と美々川の合流地点に近づく
真冬のカヌー2パンケナイ川と美々川の合流地点が間近に
真冬のパンケナイ川から美々川に入るカヌー
パンケナイ川を下り美々川にたどり着いたカヌー1

パンケナイ川の細い細い流れを通ってきて、美々川本流に入った時の開放感。
美々川が大河のように思えました。

パンケナイ川を下り美々川にたどり着いたカヌー2