家と草木のアトリエhausgras

ローコストと省エネ

質をある程度下げればローコストの家は簡単につくることができる。
そう思っている方もおられるかもしれません。

確かに断熱材や窓、暖房設備などのグレードを下げれば新築工事の費用(イニシャルコスト)は安くなりますが、その代わり、熱損失が大きくなり暖房効率が下がって、ボイラーやエアコンなど暖房機器が消費するエネルギーは増え、暮らしで使う費用(ランニングコスト)がかさむ家になってしまいます。
ですから暮らし全体を考えると、「ローコスト」であることと「省エネ」であることは両立しなければ意味がありません。

ただ家の熱的性能をやみくもに上げるのは無駄になることがありますから、それぞれの地域の気候とエネルギー事情を考慮した費用対効果の高いよいつくり方をしたいところです。そして無駄にエネルギーを使わないという意志があり、実際にシンプルな生活スタイルの方でないと、本当のローコストに近づくことができないと思います。

平屋の基本設計・プランの打ち合わせシーン

もし、一室的な空間で家族全員がいつも一緒に過ごすことができるならば、お互いへの気遣いから生活時間も同じようになっていくので、その結果、エネルギーを余分に使う時間が短くなるのではないか。個室をいくつもつくる必要がなくなるので、その分、床面積が少なくて済むのではないか。また、個室が少なくなるとより単純な空間構成になるので、暖房や換気の考え方がシンプルになり、運転効率は上がり、イニシャルコスト・ランニングコストともに下がるのではないか。

例えばこんな考えも「暮らし全体のローコスト」につながる、作り方と暮らし方のひとつになると思います。

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