家と草木のアトリエhausgras

すだれ よしず ブラインド

北海道での暖房稼働期間はおおよそ10月〜4月の半年以上に渡ります。
この長く寒さの厳しい冬の間、より省エネで温かさを実感できる室内環境とするべく、北海道で新しくつくられる家々は近年増々、断熱性能と気密性能が高くなってきています。
さらに、窓ガラスには室内の熱が逃げにくくするための Low-E(低放射)加工がされているものが増えました。
「温められた室内の熱をいかに逃がさないようにするか」を追求してきたからです。

しかし一方で、この冬を旨としてきた北海道の家のつくりは、夏の熱処理には逆効果。
窓ガラスから日射しの熱が室内に入り温まってしまうと、その熱がこもって室内がすぐにオーバーヒートしてしまう現象が起こるようになりました。
近年、北海道の夏の気候は、以前のようなカラッとした過ごしやすさは少なくなり、日中の日射しは強く蒸し暑さは増してきていますから、夏の室内を涼しく保つため、窓廻りに夏の日射しを遮る備えがあるかどうかは一層重要になってきています。

hausgrasで実践している日射しを遮るためのいくつかの方法を挙げてみます。

まず、屋根の形によって窓から入る日射しの量が大きく変わります。

このイラストに描かれた左側の図は、軒が出た勾配屋根(斜めの屋根)です。
軒先は窓面からずっと先に出ているので、夏の日中は日射しが室内に入り込むのを防ぎます。
右側の図は無落雪屋根(スノーダクト屋根)です。
軒が無いので、まったく日射しを防ぐことができません。

日差し(日射)を遮る屋根の軒の出について説明したスケッチ
屋根の軒先に吊り下げられた簾(すだれ)と夏空

軒がある屋根の家では「すだれ(簾)」を垂らして、日射しを遮る昔ながらの知恵も活かすことができます。

軒先に垂らしたこの「すだれ」は、燻した細竹を麻ひもで連ねた薄くて軽く繊細なもの。
時には風に揺れ、それを見ても涼しげに感じられます。
この薄い「すだれ」を透かして風景をうっすらと見ることができますが、その分、遮光性はあまり高くありません。

軒先の吊り下げられた簾(スダレ)

より遮光したい場合は「よしず(葦簀)」を窓の外に立て掛けます。

「よしず」は日本中の河原に自生しているススキに似たイネ科の草「葦」(よし)の茎を編んで作られます。
「葦」の茎は太いもので直径1センチ以上あり、中は空洞のストロー状。
この空洞があることで、遮熱効果(断熱効果)がより高い素材なのです

レンガ壁の1階窓に立て掛けられた葦簀(よしず)

「よしず」は室内にはっきりと日陰げをつくり、日射しの遮熱効果は大いにあります。
しかし、日射しが強くない時には室内が暗くなり過ぎてしまうので、必要ない時にすぐに外してしまえるような所に使うのがよいでしょう。

「よしず」は室内にはっきりと日陰げをつくり、日射しの遮熱効果は大いにあります。
しかし、日射しが強くない時には室内が暗くなり過ぎてしまうので、必要ない時にすぐに外してしまえるような所に使うのがよいでしょう。

連続窓の前に立て掛けられた葦簀(よしず)を室内から見る
2階の軒先の簾が掛かり1階の窓前に葦簀が立て掛けられた夏の家

夏の日射しへの備えは、屋根の軒を出したり窓上に庇を付けるなど建築的な対応も必要ですが、「すだれ」や「よしず」など日射し除けも、状況によって付けたり外したりできる可変性もありお薦めできます。
それに、新しい家の窓の外にこれらの日本の伝統的な暮らしの知恵、自然素材の風合いが加わることは、暮らす人の生活に深みが感じられたり、親しみや懐かしさを覚えてよいものです。

日射しを遮る仕組みが窓本体に内蔵されているものがあります。
hausgrasの手掛ける家に採用している、フィンランド DOMUS(ドムス)社製の木製2重窓。

北欧フィンランド製DOMUS ブラインド内臓の高性能な木製窓
北欧木製窓の内臓ブラインドの効果を説明するスケッチ

室内側のペアガラス窓枠と外側のシングルガラス窓枠の2重窓構造で、開け閉めの際はこの2つの窓枠が連動します。
そして、この2つの窓枠の間にブラインドが吊り下げられています。
室内側のペアガラス窓枠のすぐ外側にブラインドがあることで、日射しの熱が室内に入り込むのを効果的に防ぐことができるのです。
しかも、このアルミ色のブラインドにはより熱線反射率の高いアルミニウム粉を含んだ塗装がなされ、通常のブラインドより遮熱効果が高められています。

窓に内臓されたブラインドを閉じた時と開いた時

ブラインドのルーバー(ハネ)を立てると、室内は真っ暗かつ涼しくなり、しっかり遮光遮熱されていることが分かります。
hausgrasの事務所兼自宅の西側は全てこのDOMUS窓なので、強い西日をこのブラインドで防ぎ、夏の午後も快適に過ごせています。

夏の日射しへの備えも必要になってきている北海道の家。
「すだれ」「よしず」「ブラインド」の他には、窓の外に桟木や竹を立てて蔓性の草を絡ませたり、パーゴラと草木を仕立てた緑の日除けも楽しいでしょう。

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