家と草木のアトリエhausgras

窓のこと

普段何気なく見ている風景も、窓を通して見ることで特別な風景に変わります。
窓縁で切り取られた風景は、家で暮らす中で自ずと意識させられ印象が深まっていきます。

樹々の梢を間近に眺められ、緑に抱かれているような感覚にさせてくれる窓。
キッチンガーデンでハーブや野菜の日々の成長や実り具合を楽しみ観察できる窓。
山々に囲まれた静かな場所であることをいっそう感じさせられる窓。

横長窓から眺める札幌の円山からの日の出

窓から見える景色をどう見たいかによって、取り付ける窓の形とサイズと機能の選択をします。
ガラス幅が2.5メートルの窓を横に2つ並べて配置したのは、左奥にある円山から連なって見える裏山の稜線までを、緑に囲まれている場所であることの印象を強めたかったから。
そして、純粋に風景を切り取って映す窓として、ガラスと木枠だけのシンプルな固定窓(フィックスウィンドウ)にしました。

階段を上った先にある窓が映す山の四季 積雪と新緑



もし上っていく先に窓がありよい風景や光が見えるならば、それに導かれるように、
上ることは苦にならず、むしろ日々の楽しみになると思います。

2階の窓が映す山の四季 紅葉

この家に暮らし始めて、あの山の森とその背後の空はとても変化に富んでいることに気づきました。
それほど大きくはない窓ですが、それだけに凝縮されるのか、時間の移ろいとめくるめく季節をはっきりと、そして深くて静かに伝えてくれます。

春紅葉の彩り、新葉の緑のグラデーション
夏の流れる厚い雲、午後によく架かる虹
紅葉が日々濃く深まっていく様
樹々の枝に真綿がついたような雪化粧
裸の木立ちが朝陽で朱色に照らされ、山の斜面に伸びる長い樹々の影

次はどんな表情なのかと飽くことがないのです。

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