家と草木のアトリエhausgras

空気の流れ

「室内の空気がどうあるのか」は家での暮らしの質に関わるとても大切な要素です。
理想は「淀むこと無く不快な気流感も無く、ゆっくりとスムーズに流れていく」こと。

夏と冬でそれぞれ異なる空気の動きをイメージしながら、断面構成、間取り、換気の計画、暖房の計画、通風と換気を考慮した窓のサイズと配置など、空気の動きに関わることを全体的に検討して練りあげます。
これらの計画をする私自身が、同じ仕様と設備の家に10年以上暮らしている経験が、hausgrasの手掛ける家に大きく活かされることになります。

夏は窓を開けて通風することになるので、風が通り抜けやすいように窓を配置することは大前提。
夏の卓越風向や地形から生じる風向きがハッキリとしてしている場所ならば、それをしっかり見極めて上手く活かせるように。
また、家の下階から新鮮空気を取り込み、上階の最も高いところに室内の熱気を出すための排気窓があると、家全体の換気にとても有効。風が無い日でも温度差による通風ができます。
さらに必要がある場所には、通風効果がより高い「縦長の窓」をつけるようにしています。図に示すとおり、縦長の窓はひとつでも内外上下の気温差で自然な通風が生じます。

冬は室内に温度差による自然な空気の流れができるので、それを意識して家全体で考えると無駄がありません。
各部屋の低いところに給気のスリットをつけ、高いところに排気口をつけることで空気の流れ路をつくり、階段や吹き抜けを経由して、最終的には最上階の高い位置に設置した24時間換気扇から排気するようにしています。

風向き・気温差・温度差を大いに意識したパッシブな考え方を活かしつつ、空気の流れがよい家・空気感がよい家に暮らし、毎日気持ちよく過ごしましょう。

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