家と草木のアトリエhausgras

気づきやすい場

窓から見える風景、光と陰影、そこに暮らす人、家具や物、草木がよりよく見えるならば、天井や壁や床は空気や水のような透明性で、その存在を意識されなくても構わない。建築的なものは、埋没してしまってもよいのではないかと思っています。

安易なデザインの造作はせず、無駄な凸凹は無くし、線は出来るだけ少なくなるように。
暮らす人の感性の雑音になりそうなものは敢えて省いていく。
色についても、白と黒、あるいは黒っぽい濃茶やグレーを基調として、空間自体は無彩無地に近づける。
このプレーンでモノトーンに近い空間は、窓から見える景色の移り変わりを生き生きと映し、差し込む光は素直な明るさに満ち、壁に映し出される陰影は美しい滑らかさ。
そして、そこに暮らす人、家具や物や草木の本来の色づきや艶やかさを、一層引き立ててくれるのです。

庭と菜園を一望できるダイニングでくつろぐ夫婦

私たちが家という空間に求めていることのひとつは、そこに暮らす人が、自然の息づかいや日常のささやかな変化、いつも置いてある物、そして家族を美しいと感じる。
そんな嬉しい気づきに溢れる場であって欲しいということです。

hausgrasの手掛けた家を初めて訪れた方は、どんなデザイン、素材の家だったかは憶えていなくても、その場の静かで落ち着いた雰囲気、空間の透明性、明瞭な意思を感じ、窓越しに見える美しい緑と空、何気なく置かれている家具や物に目が留まります。
そして何より、リラックスして楽しそうに暮らすご家族のことが印象に残るのではないでしょうか。

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