家と草木のアトリエhausgras

温水セントラル暖房

hausgrasが手掛ける家々で取り入れている「温水セントラル暖房」(セントラルヒーティング)の方法は、北海道と気候が近い、デンマークやフィンランド、スウェーデンなど北欧で練られて完成されました。家中に温水が流れる配管を巡らせ、寒いと感じるところに放熱器で「必要なだけの熱を補う」というとても合理的な考え方。
札幌は真冬になると外の気温が−10℃まで下がる日が少なくありませんが、そんな寒い日も室温による自動制御の温水セントラル暖房をしていると、室内の温度はいつでもどこでも+20℃で一定です。
温度については申し分なくよいのですが、一方、外からの新鮮空気が−10℃で、それを+20℃まで上げることになりますから、室内の空気の相対湿度が下がってとても乾燥してしまいます。
過度な乾燥は不快なだけでなく、風邪も引きやすくなりますし、家で使われている木材の動きが大きくなって縮み、反り、割れなど出てきてしまうので、好ましい室内環境ではありません。
室内の空気を過度に乾燥させないためには、室内の温度をなるべく上げず(18℃〜20℃)、それでいて寒く感じさせない工夫をする必要があります。
「寒く感じるところをなくす」ことができれば、室内の温度は18℃〜20℃でも意外と大丈夫。それに室内の設定温度を下げられるならば、その分消費するエネルギーを減らせることも大きなメリットです。

窓下に設置された温水パネルヒーター(鉄製)PS製

家のなかで寒く感じる場所は窓の前です。
窓ガラスは外の冷たい空気でいつも冷やされているので、窓の前で人は体温を奪われてゾクゾクした寒さを感じ、窓ガラスが室内の空気を冷やして発生する冷気流が床の上を流れると、足元がスースーした寒さを感じます。

窓からのコールドドラフト(冷気流)を説明するスケッチ

その寒さの原因となる窓の下に窓の大きさに合わせた温水パネルヒーター(放熱器)を取り付けると、奪われた体温はパネルヒーターからの輻射熱で補われるので寒む気はおさまり、冷気流はパネルヒーターからの暖気流で相殺されるので、床の上を流れることはなくなります。
それから、家の外周部分も熱が逃げやすいので、温水配管を床下の外周に添うように一周させて熱を補うようにしています。

窓下に設置した温水パネルヒーターが窓からのコールドドラフト(冷気流)を和らげる効果を説明するスケッチ

ちなみに、温水セントラルヒーティングのシステム開発初期の頃は、放熱器として鉄丸管を使っていたようですが、鉄丸管を平たくつぶして熱輻射面積を増やし、暖かさをより感じやすくする改良がなされたのが「パネルヒーター」です。

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