家と草木のアトリエhausgras

ひっそりと隠れて

私は街を歩いていて、ひっそりと品よく静かに佇む古い家に魅かれます。

道からはなるべく離れた位置に建てられ、家の回りに植えられた草木や壁を這うツル草に半ば埋もれ隠れるように在る。
平屋建て、もしくは2階建てであっても下屋があり低いファザードで、全体的に小ぢんまりと。間口は狭くて奥行きが長い、うなぎの寝床のような家もよいと思います。
軒先がしっかりと出っ張った切妻(きりづま ヘの字形)や方流れ(ノの字形)の勾配屋根で、古来の家らしい普通の形。
外装(外壁)には昔からよくある、木のタテ張りやヨコ張り、もしくはレンガ積みやモルタル塗りなどの簡素な素材と使い方がなされ、年月を経て深みのある風合いに落ち着き、古いけれどもよく手入れがなされている様子がうかがえる。

山の樹々の緑と野原の草に囲まれた木の家 板張りの家

そんな慎ましくも質実な家の姿や様子から、住んでいる方たちの考えや暮らしぶり、家への愛着を感じて心が和むのです。

最近はめっきり少なくなったそんな家を、もっと増やしていきたい。

行き交う人たちにささかながら影響を与え、静かな記憶として残るような、
そして、その場所の風景として馴染んでいると感じてもらえる家を目指して。

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